日程 2005年11月30日(水)〜12月7日(水)
参加メンバー 大学教官,弁護士,大学院生など総勢20名
訪問先 American Bar Association,Constitutional Rights Foundation in CHICAGO(Youth
Summits), Georgetown University,Center For Civic Education(ワシントン)
他 小学校・中等学校1校
(1)最初の訪問先は、ABA紹介のAlexander Graham Bell School(小学校)です。そこでは聴覚障害を持つ子どもたちも多数含まれるクラス(6年生)で、「障害者法」の授業(「障害者法」による施策の具体や法の持つ意味の学習)の様子を見学しました。
(2)二番目の訪問先は、American Bar Association(以下、ABA)です。私自身は2度目の訪問ですし、お相手下さったMabelさん(公教育部長)とは日本でもお会いし何度かお話ししています。今回は現在のABAの法関連教育に関する活動(出版事業等)について詳細に伺うことができました。ABAは弁護士が学校で行う授業作りに熱心で、これまでもI’M
THE PEOPLEシリーズなど特筆すべき教材を作っているのですが、これまでの「良い」教材を集めた集大成の教材?を紹介下さいました。これまでにない面白い教材が含まれているのでそのうち分析しようかと思っています。なおABAの写真はありません。
(4)四番目の訪問先は、Georgetown Universityです。ここの法学部 Roe教授は、Street
Law(以下、SL).の教材作りにも関わっており、SLの教材の特徴について説明を受けました。私自身、SLについては実定法を基盤にしており、「初期法学入門教育」的なイメージを持っていたのですが、実際は随分違うようで(違うとおっしゃっておられました)市民性育成を重視していることをRoe教授自身が主張されていました。また、SL自体は法の原理を重視しており、原理を理解してもらうことを大切にしているとのことでした(写真に写っておられる方がRoe教授です、右写真はジョージタウン大学法学部)。
(5)五番目の訪問先は、Thurgood Marshall Academy Public Charter Schoolです。前述のRoe教授による法関連教育授業の見学のために訪れたのですが、このチャータースクール。校長先生はジョージタウン大学出身者でStreet
Lawの授業には理解があるようです(学校に法廷を模した教室があるのです)。授業は中学校3年生を対象にした住宅法に関するもので、住居に関する契約について学ぶものです。実際に住居の模型を子どもたちに見せながら、住居の「欠陥」の「解消」に関する権利について学ぶといったものでした(写真上は、模擬法廷教室、下はRoe教授の授業の様子です)。
(6)最後の訪問先はCenter For Civic Educationのワシントン支社です。教材づくりはロスが中心に行っており、ここは政府との「交渉窓口」といった所でしょうか。教材の政府による「承認」を得るための活動等を行っているようです。ここも残念ながら写真はありません。
(3)三番目の訪問先は、Constitutional Rights Foundation in CHICAGO(以下、CRFC)。といっても、実際にはCRFCが主催するYouth
Summitsの見学です。私自身は以前CRFCを訪れた際にCRFCの責任者 Pereiraさんに「是非Youth Summitsを見て帰りなさい」と言われていたものを事情があって見学せずにシカゴを後にしたことがあり残念に思っていたので、今回の訪問で一番楽しみにしていました。地域の高校3年生(Govermentの授業を選択している)を連邦地裁に集めて、イリノイ州法が規定している少年への死刑制度についてその是非をこれまでの判例をグループで子どもたちに丹念に検討させ、また実際の裁判であるRoper
v. Simmonsの事例検討を踏まえた後で、州議会議員(民主党)や少年犯罪に詳しい専門家のパネルディスカッションを聞く(そして彼らに質問をする)。そして各学校に戻り、考察を深めるといった流れです。やはり授業展開で重要なのは、パネルディスカッションの位置づけでしょう。今回は、各人が制度に対する意見を述べるといった形でしたが学習の深まりを促すためにどのようなパネルディスカッションが望ましいのかは再考する必要があるように感じました。なお残念ながらここも写真はありません。
(7)番外編。ワシントンには土曜日入りした関係で、観光する時間が取れました。大統領になった気分で写真を撮りました(スミソニアン博物館にて、右写真は連邦最高裁判所)。