演劇の原作本、決定!
長い時間をかけて、各クラスでようやく演劇の原作本が決まりました。どのクラスの四役も、安易に多数決という方法で決めるのではなく、一人一人の思いや考えを大切にしながら、いかにみんなが納得して作品を決められるのかを模索していきました。A組監督がみんなにかけた「全員が100%納得するのは難しいけれど、全員が80%の納得、そして100%の実行をしよう」という言葉が印象的でした。A組に限らず、ここまで学年で取り組んできた社会創生プロジェクトでの「合意形成」の難しさから学んだ大事な考え方ですね。
A組
A組の作品は、朝倉秋成著「教室が、ひとりになるまで」という作品に決まりました。それぞれが選んできた作品から絞っていく中で、「死神がくれた君と僕の15日間」と「教室が、ひとりになるまで」という2作品が最終候補。A組は、この演劇のテーマを「日常の大切さと人間関係の大切さ」にしたいと決めていました。日常や人間関係が描けるか。観客が共感できるか。中学生の演劇として成立するか。保護者や小学生にも見せられるものか。9Aらしさが出るか。クラス全員で作れそうか。これらの基準で、2つの作品をみんなで評価していきます。仮に、マイナスの評価になった項目も、どうやったらプラスになるだろうと考え、簡単にその作品をあきらめない。それを推している人の気持ちを大事にしています。どちらの作品になっても納得がいくまで議論を続けていきました。そして、自分が選んだ以外の作品になっても納得してできるという人がゼロになるまで話して、最終的に投票をして決めていきました。

「教室が、ひとりになるまで」浅倉秋成 [角川文庫] – KADOKAWA
B組
B組は、松村涼哉著「15歳のテロリスト」です。議論で絞られていった最終候補は、「方舟」「道徳の時間」そして「15歳のテロリスト」です。B組も、四役が全員の意見や納得感を重視して話し合いを進めました。当初は「方舟」が人気を集めましたが、各作品の面白さだけでなく「演出のしやすさ」を重視する視点も出されました。そこで、四役はウェブフォームで一人ひとりの意見や懸念点を募集・共有していきます。「決め方」そのものを話し合うプロセスも挟みながら、丁寧に議論を進めていきます。その結果、結末への不安などから「15歳のテロリスト」へと各自の考えが変容していきました。メリットもデメリットも全員で理解し合い、「言いたいことは全部言った」とみんなが納得し、最終的には投票で「15歳のテロリスト」に決定しました。

「15歳のテロリスト」松村涼哉 [メディアワークス文庫] – KADOKAWA
C組
C組は、井上真偽著「アリアドネの声」になりました。事前に絞られた「柘榴」「アリアドネの声」「方舟」「硝子の塔の殺人」の4作品を対象に、メッセージ性や演劇化のイメージなど4つの視点から議論が交わされました。各作品に一長一短があり議論は平行線をたどりましたが、社会的メッセージがあり、人が死なずに感動的なフィナーレを迎えられる「アリアドネの声」に次第に意見が傾きました。しかし、舞台表現や演出上の課題を懸念する慎重論も浮上し、決定を急ぐリーダーとクラスの間で場が緊迫する場面もありました。一度冷静になるため休憩を挟み、最終投票を行った結果、ほぼ満場一致で「アリアドネの声」に決定しました。全員が異なる意見に耳を傾け、葛藤しながら丁寧に合意形成を目指した、密度の濃い時間となりました。

ここからは、どのクラスも脚本を書き、キャストや大道具などの役割分担を決め、具体的な中身を作っていく時間になります。楽しみですね。
