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2013年度優秀教員に松友一雄 准教授が選出され、
2月7日に授与式が行われました。

(2014年2月7日)

 このたび、福井大学教育地域科学部2013年度優秀教員の栄誉を賜りました。大変嬉しく思っています。今後も引き続き、本学部の教育に努めるとともに、研究に邁進していく覚悟です。
最近の研究関心は以下の3点にあります。
(1)学習者の言語パフォーマンスの質的側面を把握するための指標作り
(2)授業における教師のインターベンション技術の類型化とその効果の明確化
(3)日々の自分の授業に向き合いながら、授業力向上を実現していくための教員研修プラン開発および学校内の研究組織開発

 (1)については、かつて学位論文で扱っていた学力形成論及び評価論の研究を発展させたもので、学習者の表現力やコミュニケーション能力の質的側面を授業の中で教師がとらえるための指標作りを行っています。これはなかなか時間のかかる研究ですが、多くの学習者の実際の言語パフォーマンスを収集し、学習状況との関係性から、現象としての「学習者の表現や理解の深まり」を背後で支える認識や思考さらには方法的知識や意識を分析し、学習履歴や学齢との相関性からそれらを系統化・体系化します。この研究の知見をもとに国語科の学習内容を再構成し、学習者の表現力やコミュニケーション能力の形成を基盤にした「カリキュラム開発」を進めています。それは受賞理由の中にもある小・中学校の国語科教科書の編纂において具現化しています。
 (2)については、福井大学に赴任して以来、福井県をはじめとして多くの小・中・高等学校の先生方と授業研究を重ねてきました。その中で授業実践力として重要な要素がこの教師が授業の中で学習者のパフォーマンスを見取り、効果的な介入(インターベンション)を行っていくことで、子ども同士をつなぎ、子どもの表現を整え、子どもの思考を深化させたりしている点に着目しています。この実践的力量を類型化し、その育成方法を開発することで、多くの教師の授業が学習者との効果的なコミュニケーションによって質の高いものへと変化していくと考えています。
 (3)については、学習者の学力向上や教師の授業力向上に対して支援する機会が多く、学校全体に関わっていく仕事を多く行ってきました。こうした関わりの中で、研究授業に加えて、教師が日々の自分の授業に向き合い、学習課題や板書、教材研究やインターベンション技術などの質を追求するための時間と方法を含み込んだシステムを構築することを支援したり、学習者を学年団や教科会を中心とする複数の教師の目で捉え、関わりを持つことで学習者を見取り、育てる教師集団の協働的関係を構築するための支援などを行っています。教科の授業力の高い中堅教員を育成することで学校の中にリーダーが生まれ、多くの若手教員が授業力を充実させることで学級を作り、多くの学習者を育てています。
 これら三つの研究や実践を統合し、教育現場への支援体制をシステム化するとともに、こうしたフィールドに学部生や大学院生を参加させることで、教科の授業実践力を身につけた人材を育成していこうとする試みが「授業力向上支援事業」として来年度からスタートします。学部生や大学院生を巻き込みながら、福井をはじめとするたくさんの現場の先生方と学校研究、授業研究を進める楽しさが私を支えています。多くの先生方に感謝をしながら今後も自らの研究の深めていきたいと考えています。

【受賞理由】
 松友一雄教員は,学部・研究科の国語教育担当教員として,専門分野である国語教育学において,授業や学生・院生の研究指導を担当するとともに,国語科における評価法や言語活動の充実に関する研究を進め,主に言語活動に基礎を置いたカリキュラム・授業開発研究に関する実践活動や研究業績を論文等で多数公表するとともに,研究会やシンポジウム等の講師として,さらには小中学校国語教科書編集にも携わるなど,幅広く成果を還元している。最近では,読解リテラシー育成の観点から他教科との協働研究を推進し,特に理科との協働的実践活動に関する研究は注目され科研費採択にも繋がっている。加えて,企画委員会委員をはじめ,高等教育推進センターや共通教育委員会の部会委員や学部内教育改革に関わるいくつかのWG委員としてもその重責を担っており,とりわけ特別プログラムWGでは「授業力向上のための支援事業」を企画し,実質的責任者として運営している。以上の教育,研究,社会連携そして管理運営上の貢献を評価し, 2013年度教育地域科学部優秀教員として表彰した。

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