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学部長ご挨拶

学校・地域を支える人材育成を目指して

福井大学教育地域科学部長 中田隆二

中田隆二

 教育地域科学部は、学校教育課程と地域科学課程の2課程から成り立つ、小さいけれどもユニークで、元気な学部です。今から63年前に福井大学が発足し、学芸学部が設置された後、教育学部に改称し、11年前に今の教育地域科学部という名称になりましたが、この間、学部名の変化にかかわらず、地域社会に教員をはじめとする公務員や企業人など多くの人材を輩出してきました。

 教育地域科学部は、実践的力量のある学校教員の養成、地域の創造と発展に貢献できる人材の養成を目的とし、教育科学や地域科学の学際的そして総合的な研究成果によって広く社会の発展に寄与することを使命としています。そして学生が卒業後、学校や企業などの職場や地域社会の中で、多様な人々と共に協働して仕事を行っていく上で必要とされる基礎的な能力を身につけるために、特に実践的な課題解決能力の育成に力を入れています。その中心となるのが、学校教育課程においては「教育実践研究」、地域科学課程にあっては「地域課題ワークショップ」という4年間を通したコアカリキュラムです。加えて、文部科学省から優れた教育実践(Good Practice:GP)として評価された、不登校の子どもたちに学生自らが対応する「ライフパートナー」、あるいは学生が地域の子どもたちと協働して一つのテーマを年間にわたって追求する「探求ネットワーク」を含む実践的な科目も設けられ、これらの科目は両課程の学生が履修することができます。その他、教科専門に関しても、海外に出かけて語学力を身につける英語とドイツ語の有料プログラムや、街中にあるE&Cギャラリーを中心に美術を学ぶ学生が行っているギャラリー活動、そしてコア・サイエンス・ティーチャー(CST:地域の理科教育で中核的な役割を果たす理科教員)養成事業など、教科毎に様々な実践的取組みが進められています。また、地域課題ワークショップでも、児童館や博物館での企画実習やまちづくりをテーマにしたプロジェクトなど、各領域・系の専門分野に係わって様々な地域参画型の授業や教育プログラムが用意されています。
 
 さて、これからの社会や学校では、大学院で学び、高度な専門知識と実践的力量を身につけ、他者と協働して課題解決を行う人材が求められています。大学院教育学研究科は、教職開発専攻・学校教育専攻・教科教育専攻の3つの専攻から成り立っています。4年前に開設された教職開発専攻(教職大学院)には、中堅の現職教員を対象としたスクールリーダー養成コースと学部卒業者を対象とした教職専門性開発コースがあります。学校を大学院の実習・学修の拠点とする方式は「福井方式」と呼ばれ、文部科学省から優れた教員養成プログラム(GP)に選定されるなど、全国的にも注目されています。学校教育専攻と教科教育専攻は、2年間、専門分野に関する講義・演習を中心により深く学びながら実践的なプロジェクトにも取組み、設定した課題について研究した成果を修士論文としてまとめます。学校教育や地域の諸課題に興味・関心をもち、より高度な専門的知識や実践的指導力を身につけたい方は、是非、大学院進学も視野に入れて下さい。
 
 その他、本学部には、附属の施設として、4つの附属学校園(幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校)と3つのセンター(教育実践総合センター、地域共生プロジェクトセンター、総合自然教育センター)があります。これらの施設はその役割に応じて、学部・研究科の教育研究活動と深く関わり、関係する教職員の協力・支援もあって、学生の様々な学習や実践活動を有意義なものとしています。
 
 本学部・研究科で学ぶ皆さんが、教育、文化、政治、経済、環境など、地域に生じる様々な課題に取り組み、それを解決するための学習と研究を通じて、学校教育や地域社会のあるべき姿に向けて行動するための力を育成できるよう、その実現のために学部・研究科の教職員は一体となって、皆さんを支援していきます。

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