高等部の活動について
高等部の教育目標について
「はたらくことを軸に,自分らしくたくましく生きる力を培う」
高等部では,生徒一人一人に応じた自立と社会参加を目指しています。「高等部教育目標」を受けて,本校が大切にしている「生活の中で今,そしてこれからの生活に必要なことを学び,生きる力を培う“生活教育”」に基づいて教育活動を行っています。教育課程は,『仕事』の時間を中心に,『生活』『運動』『表現』『グループ探究』『くらし』などで構成されています。
この教育課程の中で,「はたらく」ことを含めた自分にとっての生き方について考え,子どもたち自ら将来の生き方の選択ができるようにしていきます。また,「はたらく」喜びややりがいを持ったり,広げたりすることができるようにするとともに,「はたらく」ために必要な意欲や態度,スキルを養っていきます。また,現場実習や体験実習とも関連させ,生徒自身がやりたい仕事や働く意義を実感できるようにしていきます。また,『生活』の学習の時間を中心に,生活全体の在り方に目を向け,生徒一人一人の生活の豊かさを大切にした活動を行っています。家庭や社会における役割を生涯を通して持てるように,知識やスキルの習得を目指しつつ,自己の楽しみを持ち,より豊かな生活を送ることができるよう,幅広い活動に取り組めるようにしています。高等部の教育活動全般において,以下のことを大切にして活動に取り組んでいます。
☆生徒自身が,活動に必然性を感じ,意欲的・主体的に取り組めるようにします。
☆生徒が現在持っている力を十分に発揮して,やり遂げられる活動を中心に準備し,自己理解を促すとともに自己肯定感を高められるようにします。
☆得意なこと,好きなことを自分で理解し生かすことができるようにすると同時に,苦手なことやできないことも受け入れ,人に相談したり,人と協力し合って乗り越えていったりする力を育てるために,生徒同士や教師との関係を深め,協働して活動する良さを実感できるようにします。
☆生徒一人一人のニーズに応じた活動内容を設定し,一人一人に応じた支援を工夫します。
☆異年齢,異能力の集団やニーズや思いの似通った集団などさまざまな集団構成を工夫し,生徒が他者を通して学びを深めたり,自己を理解し受け入れたりできるようにします。
☆クラス担任だけでなく,様々な教師が広く生徒に関わり,生徒が人とのつながりの良さを実感したり,多様な視点から物事を見たり,他者との関係構築の向上を目指したりできるようにします。
注:『 』は,高等部の時間割にある活動形態を表す。高等部では,生徒の自立と社会参加をめざしています。
週時程表
3 主な活動について
(1)くらし
『くらし』では,個々の日常生活に関わる活動(基本的生活習慣に関する活動,清掃など)や,課題学習(言葉や数などに関する教科的な学習や,思考力を養ったりするための学習など),学校全体の生活に関わる活動(校内係活動),朝の運動,クラス活動などを行っています。
(2)仕事・グループ探究
『仕事』では,以下のようなことを目指し,様々なかたちで働く体験を行っています。
〇仲間と働く楽しさや充実感を得て,自分なりのやりがいを持てるようにします。
〇自分の個性を生かして,いろいろな製品を作り自己肯定感を高めます。
〇役割分担をしながら与えられた責任を果たし,仲間と共に働くことで自己有用感を高めます。
〇自分たちの製品を販売することで,製品づくりへの意欲を高め,仕事への意識を高めます。
〇様々な人と関わり,人とつながる力や社会生活に必要な力を身に付けます。
〇報告・相談など就労に必要なスキルや態度を身に付けます。
『グループ探究』は,仕事班の仲間と週1回行う活動で, 仕事への意欲の高まりや働くことを関連させた余暇の充実をねらい,仕事の仲間と仕事に関連した探究的な活動を行っています。『現場実習』との関連を大切にして,学校で成長したことを実習で生かし,実習で見えた強みや課題を学校でさらに伸ばしていけるように活動を作っています。
※仕事班の編制は,仕事体験や中学部(中学校)との引き継ぎ会・生徒の希望調査などを踏まえたり,生徒の力を付けるために適した仕事班を提案したりして生徒と合意形成をしながら決めています。一年間同じ班に所属します。
※販売活動は,校内,校外,無人販売,委託販売など様々な形で行っています。
※『仕事』に終日取り組む「一日仕事」を年に5回程度計画しています。
(3)生活
『生活』は,「働く」「暮らす」「楽しむ」「人と関わる」という4つの内容を,ニーズ別の仲間と共に,実践的なスキルを身に付けたり,実践につながる事柄を学んだりする活動をしています。
「働く」では,『仕事』『実習』と絡めながら,先輩や友達から学んだり,就労形態や賃金などの学習をしたりすることを通して,自分で進路決定できる力を付けていきます。また,「暮らす」では,実際の経験を中心にして,調理や掃除などの家事,よりよく暮らすための知識やスキルを付けていきます。そして, 仲間と一緒に学び合う機会を多く設け,より良い人間関係を築いたり,自分らしく生きていくために自分を知ったりし,余暇活動も大切にして生徒と一緒に活動を作っていけるようにします。
また,数か月に1回程度,『からころタイム』として保健(性指導)や食育について学ぶ機会も設定しています。
(4)運動
運動は,学部全体で活動しています。様々なスポーツを経験し,集団の中で楽しむことを通してスキルアップを図るとともに,スポーツに取り組む意欲を高めています。また,運動する意義や成果を感じ,主体的に運動に取り組めるよう,保健学習とも絡めて学習を進めています。
(5)表現
表現は,学部全体で活動しています。楽器や歌などの音楽表現や,ダンスなどの身体表現を中心に,絵画,工作,書写などの造形表現なども行っています。思いきり自己表現をしたり友達と一緒に楽しんだりすることで,多様な表現方法や楽しみを広げるとともに,情緒の安定や心身の解放を図り,豊かな気持ちを育てています。
(6)現場実習
本校高等部では,全生徒が6月と10月の2回,実習を行っています。6月は,1・2年生は体験実習1週間,3年生は現場実習2週間,10月は,1年生は学校実習1週間と現場実習2週間,2・3年生は現場実習3週間というように,中学部(中学校)からの段階的な進路指導を意識して実習を組み立てています。実習中は,学校へは登校せず,自宅から直接現場実習先へ通勤(家族の送迎や公共交通機関を利用した自力通勤など)します。現場実習中は実習先の日程に沿って行動し,教師は巡回して様子を見守ります。
産業現場での環境の中で,普段の学校生活や家庭生活で培った技能や習慣,態度を生かす体験をするとともに,生活能力全般についての向上を図ることを目指して行っています。実施にあたっては,個々の生徒自身が,具体的な目標を持って臨めるように『仕事』での様子と絡めながら事前や事後の学習も大切にしています。現場実習先の職員の方と学校側で事前に十分に打合せを行い,生徒について理解を促すと同時に,事後には課題を共有し本人や保護者に伝えています。
現場実習では,職場でのあいさつや人との関わり方の学習に加え,通勤方法や朝食・睡眠のとり方,休憩や休日の過ごし方などの生活習慣についても,実践を通した学習の場となります。これらの体験を実施して見えてきた課題を,進路指導を通して学校教育や家庭生活に反映させることが大切であると考えています。